2026/02/18
パオラ通信

上手い写真と、いい写真があると思います。
自分は「いい写真」を撮れるようになりたいけど、
「上手い写真」にはあまり興味がありません。
そんな自分が、気をつけた方がいいことってありますか?
この感覚、かなり多くの人が持っています。
むしろ、写真を始めたばかりの頃ほど自然な感情です。
「テクニックが目立つ写真より、
気持ちが伝わる写真を撮りたい」
そう思うのは、とても健全だと思います。
ただ――
ここで一つ、現実の話をさせてください。
あなたが大切にしたい「いい写真」は、
上手い写真の“向こう側”にあることがほとんどです。
上手い写真=冷たい
いい写真=温かい
という対立構造ではありません。
多くの場合、
「いい写真に見えるもの」は
最低限の“上手さ”に、しっかり支えられています。
「上手い写真に興味がない」という言葉を、
“上達しなくていい理由”にしてしまうこと。
・ピントが甘い
・露出が不安定
・構図が毎回偶然任せ
それでも
「これは自分の感性だから」
「気持ちが大事だから」
と言ってしまうと、
写真はそこで止まります。
厳しいことを言うと、
見る側は
「未熟なのか、意図なのか」を
ちゃんと見分けています。
伝わらない写真は、
想いが足りないのではなく、
伝えるための基礎体力が足りないことが多い。
じゃあ、どうすればいいのか。
答えはシンプルです。
・上手い写真を目指さなくていい
・でも、上手くなることからは逃げない
このスタンスを持つこと。
ピント・露出・構図・光。
地味で面倒で、
正直あまりワクワクしない部分。
でもそれは、
あなたの「いい写真」を
世界に届けるための翻訳装置みたいなものです。
最後に、次の一歩を。
「いい写真」を撮りたいなら、
今日から一つだけ決めてください。
自分の写真を、
技術の視点で一度だけ疑ってみること。
「これは感性だ」と言う前に、
「もし技術がもう少しあったら
もっと伝わったか?」と考えてみる。
それができる人は、
ちゃんと“いい写真”に近づいていきます。
感性は、
逃げ場所にすると弱くなる。
鍛える土台にすると、
ちゃんと強くなります。
この話、
「偶然」と「必然」の関係に似ているかもしれません。
誰にでも、
たまたま「いい写真」が撮れることはあります。
でもプロは、
その偶然が起きやすい場所で、
タイミングを逃さないように
待ち続けている人たちです。
だから結果的に、
素人さんより
“偶然のヒット率”が圧倒的に高い。
プロにとっては、
その偶然が、必然なんですね。
正直に言うと、
「上手い写真はいらない。良い写真が撮りたい」
そう言っていて、
本当に良い写真を撮れている人を、
私はまだ見たことがありません。
たぶん、
プロにとって
良い写真こそが上手い写真なのでは?
そんな気がします。
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