カメラマン業界辞典
レンタル撮影スタジオは大きく分けて2種類。一つは、ハウススタジオ。家や部屋がそのまま撮影に使える仕様になっているタイプ。もう一つが、「白ホリ」のスタジオ。
白ホリの「ホリ」は「ホリゾント(Horizont/ドイツ語)」の略。被写体が立つ(置かれる)床面と背面の壁の継ぎ目が直角ではなく、なだらかな丸みを帯びている。その丸みにより被写体の背景に境目(地平線)がなくなるので、被写体が画面内に浮き立つように写る。
基本的に白ホリのスタジオは設備を除けば白床と白壁以外何もない。外光も入らない。そのため撮影するには照明機材を組み合わせてライティングをゼロから作る必要がある。
またレンタルスタジオだから、日々いろいろな撮影、さまざまなカメラマンが来られる。
そのため、将来カメラマンになりたいと考える人にとって、白ホリスタジオでアシスタントスタッフ(通称:スタジオマン)を務める経験は業界のスタートラインとして最適。
ただし、その環境を本当に活かしきれるかどうかは本人次第。環境の違いもあるけれど、これを説明すると文字数がとてつもなく多いから読む気が失せてしまう可能性大。気になる方は「カメラマン業界セミナー」へのご参加をご検討ください。
[類語/関連語]
カンペ SW20 3面R 直壁 ホリ塗り 養生
[例文]
昭和のころ、白ホリの汚れは、かがんで腰を入れてゴシゴシ拭き落としていた。落とし切れないほど汚れたり、塗ってとのご要望をいただいたときは専用のペンキで床全面を塗る。塗ったあとのペンキ缶やローラーは水できれいに洗う。白ホリの大きさにもよるけれど、この一連の作業に1時間~2時間は取られる。撮影が終わって、機材をすべて片づけてからの作業だから、スタジオマンはそりゃ大変だった。当時、床を塗りながら思ったものだ。いつかそのうち、まったく汚れない純白の床とか、超簡単に汚れが落とせる白床が開発されるだろうと。そして時は令和。何も変わってないやんけー(怒)